和歌山市の集合住宅で同居していた鶴崎心桜さん=当時(16)=を虐待し、衰弱した鶴崎さんに医療措置を受けさせず、死亡させたとして保護責任者遺棄致死罪に問われた無職、木下匠(しょう)被告(41)は27日、和歌山地裁(松井修裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で起訴内容を認めた。「間違いありません」と述べた。
検察側の冒頭陳述や起訴状などによると、被告は鶴崎さんの母親=死亡当時(37)=の再婚相手で、平成30年10月ごろから同居。鶴崎さんの母親が、もう1人の娘=同(4)=の育児や家事を鶴崎さんに押し付け、鶴崎さんの歯をペンチで抜いたり、体を刃物で切りつけたりして虐待しているのを被告も知りながら、自身も鶴崎さんを肘で殴るなどしたという。
その上で鶴崎さんが呼びかけに応じられないほど極度に衰弱した状態だと認識しながら、虐待の発覚を恐れて必要な治療を受けさせず、令和3年6月9日に外傷性ショックで死亡させたとしている。