NHKのネット事業、「必須」に慎重意見相次ぐ 総務省有識者会議

NHK放送センター外観=東京都渋谷区
NHK放送センター外観=東京都渋谷区

インターネット時代のNHKの業務などを検討する総務省の有識者会議「公共放送ワーキンググループ(WG)」の第5回会合が24日に開かれた。事務局はこれまでの議論のまとめとして、NHKのネット業務は「放送とともに『実施しなければならない業務』として位置付けるべき」との方向性を打ち出したが、有識者からはより慎重な議論を求める声が相次ぎ、継続して検討することが確認された。WGは今年6月をめどに議論をまとめる予定。

NHKの「本来業務」は現在、ラジオとテレビの放送で、ネット業務はその補完の「任意業務」とされ、運営費も年200億円以内に制限されている。WGではネット業務の位置づけのほか、国際放送のネット配信の必須業務化などについて有識者が意見を述べた。

大谷和子・日本総合研究所執行役員法務部長は、ネット業務を「実施しなければならない業務」とすることに「基本的に賛成」としながらも、「受信料収入に支えられている公共放送として、業務範囲を絞り込まずに安易に広げるのは成り立たない」と指摘した。

宍戸常寿・東京大大学院教授は「本来業務化については財源、規模感などの問題があり、すべてのメディアの機能をNHKに集約するのはあり得ない。NHKに目標や規模感を示してもらって議論すべきだ」と注文した。

オブザーバーとして参加した民放連の担当者は「(事務局の)まとめからは、必須業務とする方向が見て取れる。必須業務化がなぜ必要なのか。NHKがネット活用の将来像などを示さないと分かりにくい議論になる」と釘を刺した。

事務局側は「業務範囲や財源、バランスなどを一通り議論した後で振り返りたい」として、方向性の決定を持ち越すことを決めた。

このほかWGでは、ネットにはフェイクニュースをはじめとした情報面の問題が多く、公共放送であるNHKには「信頼ある情報を届ける」ことが求められ、「テレビを持たない者に対しても公共放送の情報・コンテンツを提供する手段を制度的に確保すべき」とする方向性で一致した。

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