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シニアのライフプラン③資産少なめでも〝争族〟リスク

シニアのライフプランで重要なテーマの一つが相続対策だ。資産が少ない家庭であっても兄弟や親戚が争う〝争族(そうぞく)〟に発展する例が後を絶たないという。

マネーセミナーなどを手掛ける「FP Office」(東京都新宿区)の取締役でファイナンシャルプランナーの根本寛朗さんは、相続トラブルの主な要因として、子供が2人以上いる▽マイホームはあるが預貯金は少なめ▽「介護は家族で」と考えている-の3点を挙げる。

20代の子2人を持つ60歳の男性は、定年後の生活について相談したところ、相続争いのリスクが判明。定年前の生活水準を維持する場合、退職金を含む預貯金が将来ほぼ底をつき、分配しにくい自宅と土地だけが残るとの試算が出た。男性は「家を売らずに相続させたい」と、子供1人に自宅を、もう1人には相応の現金を残すプランに見直した。退職金で終身保険に加入し、仕事は続け、生活費を節約することにした。

「介護などがからむと、貢献度を財産配分にどう反映するかも考える必要が出てくる」と根本さん。そして「早期にライフプランを作れば、老後の生活費と子供のために残す資産を見通すことができる。子供から切り出しにくい話題でもあり、自分の死後に大切な家族が争わないよう、自身でぜひ一度考えてみてほしい」とアドバイスする。

(取材協力 FP Office)

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