コクヨ決算、過去最高益を更新 ぺんてる株売却で

会見するコクヨの黒田英邦社長=13日、大阪市中央区(田村慶子撮影)
会見するコクヨの黒田英邦社長=13日、大阪市中央区(田村慶子撮影)

文具大手のコクヨが13日に発表した令和4年12月期連結決算は、最終利益が前期比34・1%増の183億円となり、153億円だった元年12月期以来、3年ぶりに過去最高を更新した。筆記具大手のぺんてる買収から撤退し、保有していた同社株の売却益約9億円を計上したことなどによる。

4年12月期から採用した「収益認識に関する会計基準」での、本業のもうけを示す営業利益は2・9%減の193億円だった。新たな働き方を提案するオフィス改修などの受注が想定した目標に届かず、主力のオフィス家具事業が振るわなかったため。原材料価格などの高騰も響いた。

同社の黒田英邦社長は13日に開いた決算会見で「新型コロナ禍の再燃や、経済の先行きに対する不透明感からオフィスに投資する企業の意思決定が滞った」と説明。「多く予定されている大型オフィスビルの竣工(しゅんこう)に伴う法人の移転も増える」などとして需要回復に期待を示した。

5年12月期の連結業績予想は、売上高が12%増の3370億円、最終利益は15・1%減の156億円を見込む。

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