東京都狛江市の住宅で1月、住民の大塩衣与(きぬよ)さん(90)が殺害された強盗殺人事件で、警視庁調布署捜査本部が実行グループの3人を特定した。捜査関係者への取材で8日、分かった。すでに警察当局に身柄を確保されている。事件で犯行を支援した男らの関与も浮上。捜査本部は10日にも強盗殺人容疑などで数人の逮捕に踏み切る方針を固めた。一連の広域強盗事件が明るみに出る発端となった狛江事件での実行グループの摘発は初めて。
捜査関係者によると、特定されたのは、昨年12月の東京都中野区の強盗傷害事件で逮捕された永田陸人容疑者(21)と同月に起きた広島市西区の強盗殺人未遂事件で逮捕された加藤臣吾(しんご)容疑者(24)、石川県警が別件で逮捕した男の3人だという。
狛江事件は1月19日に発生。大塩さんが地下1階で両手首を結束バンドで縛られ、暴行を受けて死亡しているのが見つかった。室内からは腕時計3本と指輪が奪われ、実行グループのものとみられる4種類の足跡が検出された。
永田容疑者は事件翌日に足立区で身柄を確保されたが、その際に使っていた車は狛江事件前後に現場で確認された不審車と一致。車内からは被害品の腕時計1本や大塩さんの血が付いた手袋も見つかった。
車内から押収された携帯電話の解析では「ルフィ」と共に指示役とされる「キム」と名乗る人物の関与も確認。手口や防犯カメラ画像などから加藤容疑者らが浮上し犯行を支援していた存在も判明。捜査本部は残る実行役1人や支援役の特定を進めている。