滋賀県近江八幡市で昨年7月、地下道が豪雨で冠水し、同市の岩田鈴美さん=当時(72)=が溺死した事故があり、遺族が地下道の安全対策に不備があったとして、管理する県と市に計約4千万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が9日、大津地裁(堀部亮一裁判長)で開かれた。県、市側は請求棄却を求めて争う構えを示した。
市は昨年8月に検証委員会を設置。3月末までに報告書をまとめる方針。
訴状などによると、岩田さんは昨年7月19日午後3時ごろ、JR安土駅近くの地下道で水に浮いた状態で見つかった。現場は、線路をくぐる県道にスロープ状の市道がつながっている。
遺族側は、県と市は過去にも冠水があったことを把握しながら注意喚起の看板などを設置せず、進入を防ぐ措置を怠ったと主張。市が県道部分の排水設備の改善を県に要望していたが、県はそのままにしたと訴えている。