女児焼死の再審無罪、2審も国の責任認めず 大阪高裁

国の責任が認められず、「勝訴」と「不当判決」の両方の旗が出された=9日午前、大阪市北区(南雲都撮影)
国の責任が認められず、「勝訴」と「不当判決」の両方の旗が出された=9日午前、大阪市北区(南雲都撮影)

平成7年に大阪市東住吉区で小学6年の女児=当時(11)=が焼死した火災で、殺人などの罪で無期懲役刑が確定し、その後再審無罪となった母親の青木恵子さん(59)が、国と大阪府に計2千万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、大阪高裁であった。牧賢二裁判長は、府のみに賠償を命じた1審大阪地裁判決を支持し、控訴を棄却した。

昨年3月の大阪地裁判決は、虚偽の自白に追い込んだ大阪府警の捜査を違法と判断した一方、検察(国)の責任は認めていなかった。青木さんを起訴したり公判で一部の証拠開示に応じなかったりした検察の違法性を認定するかが焦点だった。

青木さんは、内縁の夫だった男性=再審無罪=と共謀し、保険金目当てで自宅に放火して長女のめぐみさんを殺害したとして、殺人罪などに問われ、無期懲役が確定。約20年間身体を拘束された末、自白の虚偽性や自然発火の可能性が認められて28年の再審公判で無罪となった。同年、府警や検察の違法性を訴えて民事訴訟を起こした。

1審の大阪地裁判決は、府警の取り調べについて、長時間にわたって大声で責め立てながら自白を迫ったことなどを踏まえて「違法であることは明らか」として、府に約1220万円の支払いを命じた。

一方、検察に対しては、起訴段階で集まっていた証拠に基づけば、「有罪と認められる嫌疑があった」と判断。証拠開示についても「法律に反していたとはいえない」と青木さん側の主張を退けていた。

地裁は判決言い渡し前に和解を勧告したが、国側が応じなかった。控訴審でも、大阪高裁が昨年11月に和解を提案したが、国と府が応じない意向を示したため、打ち切りとなっていた。

会員限定記事会員サービス詳細