ウクライナ情勢は、ロシアの侵略に敢然と抵抗するウクライナ軍の活躍が目立つ。スティーブン・パイファー元駐ウクライナ米大使は、ロシアによるゼレンスキー政権の早期打倒という当初目標は挫折したと指摘し、ロシアが事態打開のため核兵器使用に踏み切れば国際社会の孤児と化すと警告した。
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ウクライナが昨年2月からロシアに侵略され、現在まで露軍の攻勢を押しとどめることができているのは、自国の領土を守るという国民の強い決意と粘り強さ、高い士気のおかげだ。ウクライナ兵は勇敢で機敏で、戦術的にも革新的だ。露軍の指導力と戦術の欠如、貧弱な兵站(へいたん)に助けられた側面もある。