マスク3月中旬緩和 新幹線や高速バス、学校は不要

マスク姿で通勤する人たち=1月25日午前、JR東京駅前
マスク姿で通勤する人たち=1月25日午前、JR東京駅前

新型コロナウイルスの「5類」移行に伴う感染防止対策としてのマスク着用の在り方について、新たな政府指針案が9日、分かった。乗客がおおむね全員着席可能な新幹線や高速バスなどは外すことを認める一方、通勤ラッシュ時や混雑した電車・バスなどに乗車する際は着用を推奨する。学校教育活動では、着用を求めないことを基本とする。新指針の適用時期は3月中旬を軸に調整しているが、小中高校などの卒業式は、適用前でもマスクなしを容認する。

岸田文雄首相は新指針の具体的な適用開始日について、2月10日の政府対策本部で決める方針だ。

政府は先月末、原則屋内での着用を求めてきたマスクについて、5月8日の「5類」移行に先立って基準を緩和する意向を表明。屋内外を問わず、マスク着用を個人の判断に委ねる基本方針を決めた上で、具体案を検討してきた。

新たな指針案では、子供のマスク着用に関して「健やかな発育を妨げないよう配慮が重要だ」と指摘。学校では、着用を求めないことを基本とする。ただ、基礎疾患などさまざまな事情で、感染不安を抱き、引き続きマスク着用を希望する児童生徒には適切に配慮し、換気の確保など必要な対策を講じるようにする。保育所などにもこうした考えを周知する。

本人に症状がある場合や、検査で陽性になった人、家庭内に感染者がいる場合、原則的に外出を控えるよう求め、通院などやむを得ないときは着用を呼びかける。

政府は、昨年末から強化している中国を対象にした水際対策について、近く緩和することも検討している。中国本土からの直行便の渡航者全員に実施している新型コロナ検査を、対象者を絞った抽出調査に切り替える案が出ている。中国本土からの直行便到着を成田、羽田、関西、中部の4空港に限定している措置は撤廃する。

中国からの入国者の陽性率が減少傾向にある現状を踏まえた。出国前72時間以内の陰性証明提示を義務付ける措置は継続する見通しだ。

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