火曜日の夜9時から放映中のドラマ「星降る夜に」(テレビ朝日系)は、35歳の女医と生まれつき耳の聞こえない10歳年下の遺品整理士の恋の物語である。ろう者の青年は手話を使う。7日の第4話では、2人が手話で思いを伝え合う場面があった
▼かつて手話は、ろう学校で使用が禁止されていた。日本語の習得の妨げになるとされた。代わりに、相手の唇の動きを読み取って発声する口話が教えられていた
▼4歳でろう学校に通い始めた米内山(よないやま)明宏さんは言葉を奪われた。両親がともにろう者だった米内山さんは、家庭では手話だけでコミュニケーションを取っていたからだ。10歳の時、学芸会のお芝居を手話で演じたいと教師に訴えたが、認められなかった。以後は口話の訓練を一切拒否した、と『プライド』と題した自伝につづっている