広域強盗 渡辺、小島両容疑者搭乗の飛行機が離陸

渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者を乗せて離陸に向かう旅客機=8日、フィリピン・マニラの国際空港(共同)
渡辺優樹容疑者と小島智信容疑者を乗せて離陸に向かう旅客機=8日、フィリピン・マニラの国際空港(共同)

【マニラ=森浩、中村雅和】全国で相次いで発生している強盗事件を巡り、犯行の指示役とされる日本人特殊詐欺グループの渡辺優樹(38)と小島智信(45)の両容疑者の2人を乗せた航空機が9日未明(日本時間同)、日本に向けてフィリピンの首都マニラを離陸した。警視庁が機内で、別の特殊詐欺に絡む窃盗容疑で逮捕する見通し。

特殊詐欺グループの今村磨人(きよと)(38)、藤田聖也(としや)(38)両容疑者は7日に送還・逮捕されており、4容疑者の送還が完了する。

渡辺、小島両容疑者は8日深夜、警察車両でマニラのニノイ・アキノ空港に入った。警視庁の捜査員に身柄を引き渡された後、車両で飛行機の近くまで向かい、外付けのタラップから機内に入っていった。

両容疑者を巡っては、「女性や子供に対する暴行罪」で告訴されていたが、フィリピンの裁判官が7日、刑事裁判を取り消す判断を示し、公訴が棄却。強制送還への障害がなくなっていた。

8日夜に記者会見したフィリピン司法省の報道官は「日本政府に正義をもたらすという目標のため、(比政府の関連)部署のあらゆる資源を投入した。犯罪との闘いにおいて、私たちが価値あるパートナーであることを示した」と強調。さらに、日本との関係強化を目指すマルコス政権の姿勢を念頭に「(今回の早期移送は)共通の関心事について私たちの協力姿勢を示す証になるだろう」と述べた。

2容疑者 フィリピン当局が送還手続き開始 深夜に入管施設出る

会員限定記事会員サービス詳細