キックボクシング界で「神童」と呼ばれ、プロボクシング転向を表明した那須川天心が9日、東京・後楽園ホールでプロテストに臨み、6回戦に出場できるB級に合格した。帝拳ジムに所属する24歳は「合格できてうれしい。自分の存在を高め、ボクシング界も世間も盛り上げたい」と抱負を述べた。
アマチュア経験のない選手は通常C級(4回戦まで)を受験するが、那須川はプロ格闘家としての実績が評価され、B級受験が認められた。97点だった筆記試験やシャドーボクシングなどこなした那須川は3ラウンドのスパーリングで技術面の審査を受け、日本バンタム級1位の南出仁(じん)(セレス)を相手に鋭いフットワークや高い防御力を披露。「キックボクシングと違う動きを表現できた」と手応えを口にした。南出は「想像以上にジャブも足も速い。『那須川、プロの洗礼を浴びる!』と書いてもらおうと思ったんですけど、ダメでしたね」と脱帽した。
プロボクシング転向の理由については「挑戦を続けたい。どの競技でもちゃんと対応して、極められるところを見せたい」と話した那須川。バンタム級かスーパーバンタム級を主戦場とする予定で、「一つの目標として、ベルトを取って(実力を)証明したい」と意気込んだ。