【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、平壌の金日成(キム・イルソン)広場で8日に朝鮮人民軍創建75年を記念する軍事パレードが行われ、金正恩(ジョンウン)朝鮮労働党総書記が閲兵したと伝えた。正恩氏は演説を行わなかったもようだ。パレードは8日夜に行われ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や「戦術核運用部隊」が登場した。
戦術核運用部隊は、日本上空を通過した中距離弾道ミサイルを含め、昨年9~10月に集中的に発射された中・短距離弾道ミサイルの運用を担った部隊だ。
米本土を狙うICBMに加え、日韓を標的とする戦術ミサイルの運用部隊を登場させることで、対北安全保障協力を強める日米韓に対抗し、核・ミサイル開発を一層加速させる意志を示した形だ。
正恩氏は「愛するお子様」と李雪主(リ・ソルジュ)夫人を伴ったという。同通信が配信した写真にも、前日の記念行事に同行するなど、昨年11月以降公の場に姿を見せるようになった「金ジュエ」とされる少女が写っていた。
北朝鮮による軍事パレード実施は昨年4月以来。
新型ICBM登場か、日韓狙う戦術核部隊も行進 北軍事パレード