阪大の非常勤講師4人が「無期雇用」求め提訴 大阪地裁

提訴後に会見をする原告の浦木貴和さん(左から2人目)ら=9日午後、大阪市

大阪大(大阪府吹田市)と有期の雇用契約を結び、通算5年を超えて働いてきた非常勤講師の50~60代の男女4人が9日、無期契約へ転換されずに雇い止めを予告されたとして、阪大に地位確認などを求める訴訟を大阪地裁に起こした。

労働契約法は、有期契約が通算5年を超えた場合、労働者が希望すれば無期雇用に転換できると定めているが、業務委託契約には適用されない。

訴状によると、4人は平成19~25年、阪大と業務委託契約を締結し、更新を続けながら授業を行ってきた。令和3~4年に無期雇用への転換を申し込んだが「同法の対象ではない」と認められなかった。

文部科学省は3年、「直接雇用していない者に実質的に授業を担当させるのは不適切」とする事務連絡を通知。阪大は昨年、4人を含む非常勤講師を直接雇用に切り替えたが、契約上、4人は今年3月末で雇い止めになるという。

原告側は、労働契約にあたるかは勤務実態で判断されると指摘。業務委託契約中も阪大の指揮監督下で授業の計画・実施や成績評価などの仕事をしており「実態は労働契約法で保護される労働者にあたる」と主張している。

9日、大阪市内で会見した原告の1人、浦木貴和(のりかず)さん(57)は「私たちに問題行動があったわけではないのに無期雇用への転換を認めないのは不当だ」と訴えた。阪大は「訴状が届いていないため、コメントは差し控える」としている。

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