ロシアに侵略されたウクライナへの主力戦車の供与を巡り、ドイツのピストリウス国防相は8日、同国の主力戦車「レオパルト2」の最初の1個大隊が3月から4月に引き渡されるとの見通しを示した。訪問先のポーランドの首都ワルシャワでの発言をロイター通信が伝えた。ピストリウス氏によると、1個大隊は約30両で編成される。
露軍はウクライナ軍が欧米製の主力戦車を実戦投入する前に支配地域を拡大しようと、最前線の東部ドネツク州などで攻勢を強めている。対するウクライナ軍は、防御戦を展開して露軍の損害を拡大させた上で、欧米製の戦車や歩兵戦闘車を投入して反攻に転じる構想を描いている。ドイツが供与の時期を明らかにしたことで、ウクライナ軍の士気が高まるとみられる。
米国は「エイブラムス」主力戦車の供与を決定。「レオパルト2」は、ドイツが14両、カナダが4両を供与する。ロイターによると、ポルトガルも3両を供与すると8日発表した。ポーランドなども供与の見通し。英国は自国の「チャレンジャー2」14両を3月末までに引き渡す意向を示している。
ウクライナ軍の戦車兵によるレオパルト2とチャレンジャー2の習熟訓練は同国外で始まっている。
ピストリウス氏は7日、前世代の独主力戦車「レオパルト1」の供与も発表。同戦車を保有する各国と協調し、春までに20~25両、年内に約80両を供与するほか、来年も100両以上を供与するとした。
ウクライナのクレバ外相は先に、米欧から第1陣として供与される主力戦車の規模は120~140両になると発表しており、ここにレオパルト1が加わることになる。