【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮は8日、朝鮮人民軍創建75年の記念日を迎えた。北朝鮮メディアは8日、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が7日、娘らとともに軍将官らの宿舎を訪れ、宴会で演説したと報じた。平壌では、軍事パレードの練習とみられる動きが衛星写真などで繰り返し捉えられており、大規模なパレードが実施される可能性が高い。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)を含む新型兵器がどれくらい登場するか、金氏がパレードで演説し、米国などに向けたメッセージを発するかが注目される。
金氏は宴会での演説で「わが軍隊は世界で最も強い軍隊という誉れ高い呼び名を獲得した」と軍をたたえ、「子孫万代のため、われわれは多くの苦痛を耐え抜き、偉大で絶対的な力を育てた」と強調した。開発した核・ミサイルを指すとみられる。
北朝鮮メディアは、金氏の娘について「尊敬するお子様」と紹介した。北朝鮮で最高指導者以外に「尊敬する」との敬称が用いられるのは異例。軍が次世代にわたって金体制を守り抜くことを印象付ける狙いとみられる。娘は昨年11月のICBMの発射実験への同行で初めて公の場に現れた。