浪速風

本当の万博のコストは

大阪・関西万博の会場イメージ図(2025年日本国際博覧会協会提供)
大阪・関西万博の会場イメージ図(2025年日本国際博覧会協会提供)

随分前のことだが、大手建設会社で取材の終わり際に軽く聞いてみたことがある。ところで、下請けいじめってあるんですか。「そりゃ、ありますよ。そうしないと生きていけませんから」と、明け透けな答えが返ってきて驚かされた。その後もだらだら続いた日本経済の不振を経て、きちんと対価を支払うことの大切さが意識され始めた

▶安値競争ばかりでは経済によくない。多くの財界人もそう指摘する。ただ、現実は一筋縄ではいかない。2025年大阪・関西万博の会場整備工事で入札不調が相次いだ。建設会社からみて予定価格が安すぎるためだ。資金協力に応じた財界人たちは頭の痛いことだろう

▶仕切り直して予定価格を引き上げつつ、開催費の上限は守るという。が、どこかにしわ寄せがいって、泣きをみたり、いじめられたりする業者が出ては、万博の看板に傷がつく。真に価値あるものを生み出せるのなら、相応のお金をかけてもよいのでは。

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