東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件で、テスト大会の計画立案支援業務の入札を巡り受注調整をした疑いが強まったとして、東京地検特捜部は8日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、大会組織委員会大会運営局の元次長と広告大手「電通」の幹部を逮捕した。組織委元理事の汚職事件に端を発した「五輪とカネ」の問題は、元理事の古巣・電通を中心とする広告業界が絡む談合事件で逮捕者が出る事態に発展した。炙り出された世紀の祭典の「闇」から、くみ取るべき教訓は何なのか。
「実績のない会社に任せるな」
東京五輪・パラリンピックの開催を2年後に控えた平成30年初頭。大会組織委員会大会運営局の次長だった森泰夫(55)は、東京都内の居酒屋で、数人の男らと杯を重ねていた。