ベンチャー支援へ50億円ファンド りそな銀・岩永省一社長

インタビューに答えるりそな銀行の岩永省一社長=大阪市中央区のりそな銀行大阪本社(鳥越瑞絵撮影)
インタビューに答えるりそな銀行の岩永省一社長=大阪市中央区のりそな銀行大阪本社(鳥越瑞絵撮影)

りそな銀行の岩永省一社長(57)が産経新聞のインタビューに応じ、大阪・関西万博に向けたベンチャー企業の支援強化として、将来性がある新興企業に投資する50億円規模のファンドを令和5年度に立ち上げることを明らかにした。りそなグループは万博の大阪ヘルスケアパビリオンに参画しており、そこで展示されるベンチャーなどの技術の実社会での活用を加速させる。

新設する背景について、岩永氏は、万博が開かれる関西ではベンチャーの起業の活発化や規模の拡大が予想されることから、資金面の強化などにより成長をサポートする機運が高まっていると説明する。

その上で、「出資だけでなく、ベンチャーと大企業をつなぐ役割の中心を担う」と強調。資金面のサポートだけでなく、大学なども巻き込みながら大企業とのビジネスマッチングを強化する考えを示した。

ベンチャー支援に向けた人材の増強や育成にも力を入れるとし、企業の新規株式公開(IPO)や、株式の取得により企業への投資を行う「エクイティ投資」のノウハウを身につけた人材の育成をはかる。

万博を視野に入れたベンチャー支援の意義について、岩永氏は「大企業はイノベーション(技術革新)に困っており、経済全体の力でベンチャーの新しい技術を社会実装(実社会で活用)していく必要がある。万博はそのスピードを速める絶好の機会となる」と述べた。(井上浩平)

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