「バイデン氏はクレージー」 共和党反対演説はトランプ氏の子飼い 一般教書

7日、一般教書演説で、親指を下にする米共和党議員=ワシントン(ゲッティ=共同)
7日、一般教書演説で、親指を下にする米共和党議員=ワシントン(ゲッティ=共同)

【ワシントン=大内清】バイデン米大統領の一般教書演説に対し、野党・共和党からは7日、トランプ前政権で大統領報道官を務めた南部アーカンソー州のサラ・サンダース知事が反対演説を行い、バイデン民主党政権を「急進左派に完全に乗っ取られている」「クレージーだ」などと罵った。産業政策やインフラ整備などに重点を置いたバイデン氏の演説とは対照的に、「(米国が)左派との文化戦争で攻撃にさらされている」などとイデオロギー色を前面に押し出した。

野党の反対演説は、党の次世代を担うと目される政治家が起用されるのが通例。サンダース氏は州都リトルロックからの演説で、メキシコ国境からの不法移民流入や各地の治安悪化はバイデン氏が元凶だなどとし、「最高司令官にふさわしくない」と主張した。

サンダース氏は、昨年11月の中間選挙でトランプ前大統領の推薦を受けて初当選した子飼い。今回の反対演説も、トランプ氏の主張や政敵を罵る手法をなぞったものとなった。

一方でサンダース氏は「新世代の指導者が(米国を)率いるべき時だ」とし、2024年大統領選への再出馬を宣言しているトランプ氏からの世代交代を促しているともとれる文言も盛り込んだ。トランプ氏はこのところ、出馬が取り沙汰される南部フロリダ州のデサンティス知事ら党内ライバルの追い落としに躍起。演説からは、トランプ氏との距離の取り方に苦心する様子も見え隠れする。

会員限定記事会員サービス詳細