東京都美術館で「第86回 龍峡書道展」が開催されている。龍峡書道会(本部・世田谷区下馬)は、昭和8年に林龍峡(1898-1984)によって創設され、競書誌『蘭契』は現在千号近くを数える。
会場には、初代会長、林龍契3代会長の遺墨、林龍成会長の大作を中心に一般部作品約250点が並び壮観であった。龍成会長は、行草の五言句「南山獻壽觴」をゆるぎない筆致で力強く、短歌「山寺の…」を現代風に展開した二作を発表。前田聖峰総務理事は杜甫の「飲中八仙歌」を行草七行で書し、末行に八仙の名を記して八行を悠然とまとめている。結城紫翆総務理事は、趣のある流麗な行草で李白詩を書し、あわせて堅固な筆致で趙之謙の行草を臨書した作品を出品。ほかに大澤祥鳳、大谷素雪、蔵泰中、鳴島曼雲、林香雲、冨士水遠、水島珠香の各氏らが出品している。文部科学大臣賞を小野伯雲、東京都知事賞を横須賀心月、産経新聞社賞を松本彩光の各氏が受賞した。学生展(高校の部、小・中学生の部)が併催されている。2月11日(土)まで。