ドイツ、旧式戦車「レオパルト1」もウクライナ供与へ 年内に約80両

ドイツ製の戦車「レオパルト1」=2012年1月(AP=共同)
ドイツ製の戦車「レオパルト1」=2012年1月(AP=共同)

ドイツのピストリウス国防相は7日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、既に供与を決定している独製主力戦車「レオパルト2」に加え、前世代の主力戦車「レオパルト1」も供与すると発表した。同戦車を保有する欧州諸国と協調し、夏までに20~25両、年内に約80両を供与。来年にも100両以上を引き渡すとした。同氏はまた、レオパルト2の最初の引き渡しを今年3月末までに行う意向も示した。

ピストリウス氏は同日、ウクライナのゼレンスキー大統領やレズニコフ国防相と会談。同国国防省によると、ピストリウス氏はロシアの侵略と戦うウクライナ軍を称賛し、「領土を守ろうとする意思はあらゆるものに打ち勝つ」と指摘。「ドイツは可能な限りの支援を行う」と強調した。同氏はまた、レオパルト2の習熟訓練を始めたウクライナ軍の戦車兵と面会した。

ウクライナのクレバ外相は以前、米欧諸国から第1陣として供与される主力戦車の規模は120~140両になると発表しており、ここにレオパルト1が加わることになる。ウクライナにとって将来的な反攻に必要な戦力のさらなる向上が期待できる形となる。

レオパルト1は第二次大戦後に西ドイツが開発した最初の主力戦車で、1960~80年代に生産された。

露軍は現在、ウクライナ軍が米欧製戦車を実戦投入する前に支配地域を拡大しようとしているとされ、最前線の東部ドネツク州などで攻勢を強化。一方のウクライナ軍は、防御線を展開して露軍の損害を拡大させつつ、米欧から供与される戦車や歩兵戦闘車の習熟訓練の完了を待って本格的な反攻に転じる構想で、前線での戦闘が激化している。

戦況を巡り、ショイグ露国防相は7日、露軍高官らとのオンライン会議を開き、1月だけでウクライナ軍に6500人規模の損害を与えたと主張。最激戦地のドネツク州バフムト方面などで「戦闘が成功裏に進んでいる」とも主張した。

一方、ウクライナ軍参謀本部は7日、過去1日間にこれまでで最大規模となる露軍兵1030人を戦死させたと指摘。露軍の攻撃機スホイ25と無人偵察機をそれぞれ撃墜したとも明らかにした。

独旧式戦車100両、ウクライナに供与へ 欧州3国

会員限定記事会員サービス詳細