政府は8日、昨年5月に成立した経済安全保障推進法に関する有識者会議を開き、電気や鉄道など基幹インフラの事業者が重要設備を導入する際の事前審査などの基本指針案を提示した。合わせて、先端技術の「特許非公開」についての基本指針案も示した。有識者の意見を踏まえ、3月にも閣議決定する方針だ。
高市早苗経済安保担当相は有識者会議で、「(昨年12月に決定した国家安保戦略で)自主的な経済的繁栄を実現するための経済安保政策の促進が位置付けられた」と述べ、基本指針案の決定に向けて協力を求めた。
基幹インフラの基本指針案では、事業者の重要設備導入や維持管理の外部委託に際し、設備を製造した企業名や設立国、役員の氏名・国籍などの届け出を求めるとした。電気、ガス、鉄道、放送など14分野で「国民の生存に不可欠で代替が困難」な事業などを対象にする。
特許非公開に関する基本指針案では「国家および国民の安全を損なう事態が生じる恐れが大きい発明」を非公開の対象とし、宇宙・サイバーなどの先端技術や大量破壊兵器への転用が可能な核技術などを例示した。