トップは語る

京阪ホールディングス社長・石丸昌宏さん(60) 大阪万博、中之島にバス発着計画

インタビューに応じる京阪ホールディングスの石丸昌宏社長(黒川信雄撮影)
インタビューに応じる京阪ホールディングスの石丸昌宏社長(黒川信雄撮影)

――新型コロナウイルス禍で打撃を受けた鉄道事業の回復が顕著だ

「鉄道で85%、バスで90%まで乗車率は回復した。在宅勤務の定着などでコロナ禍前と同水準には戻らない。乗客者数減少は想定範囲内だ。令和5年3月期は最終利益160億円を確保したい」

――コロナ禍の影響で三条駅(京都市)前、京橋駅(大阪市)の再開発計画が止まっている

「今後発表する中期経営計画か、長期戦略には盛り込まなくてはならない。三条は観光の街だが、コロナ禍でも客足がなくならない施設をつくらなくてはいけない。京橋は京阪電鉄で最も乗客者数が多い駅であり、思い切ったことをしたい。ただ、再開発は投資が莫大(ばくだい)で、慎重に検討したい」

――7年の大阪・関西万博への対応は

「中之島駅(大阪市)周辺にシャトルバスの発着所を設置し、京阪バスで来場者を輸送する体制を整えたい。万博は入場が予約制で、効率的なバス運行が可能ではないか。中之島駅から鉄道で来場者をスムーズに京都に運ぶ施策も講じていきたい」

――統合型リゾート施設(IR)の誘致が決まれば、中之島からIR建設が計画されている(大阪湾の人工島)夢洲(ゆめしま)方面への延伸は可能か

「検討はする。ただIRでは国際会議や展示会を運営するMICE(マイス)施設が予定より小規模になる。IRがどのようなものになるか、しっかりと見極めていきたい」(黒川信雄)

いしまる・まさひろ 北大卒。昭和60年京阪電気鉄道(現京阪ホールディングス)入社。京阪電気鉄道人事担当部長、執行役員などを経て令和元年から現職。大阪市出身。

会員限定記事会員サービス詳細