「村のため」金延べ板120枚寄付 5億円超、岩手・田野畑

岩手県田野畑村に寄付された金の延べ板(同村提供)
岩手県田野畑村に寄付された金の延べ板(同村提供)

「村のためにお役に立てていただきたい」。東日本大震災で被災した岩手県田野畑村に金の延べ板120枚(計60キロ)が寄付された。全て私財というが、寄付者の意向により氏名や性別は非公表。国内の金価格の高騰で、換金額は5億2824万円に上った。村は全額を財政調整基金に積み立て、子育て支援や役場の建て替えへの活用を検討する。

昨秋、震災前から村にゆかりがある国内在住の人物から、佐々木靖村長に打診があったという。今年1月末、この寄付者とともに東京都内の貴金属販売店を訪れ、売却した。

村によると、1889年の村誕生以来、個人から億単位の寄付を受けたのは初めてという。

役場庁舎は築約60年で、耐震性が低い。エアコンや網戸がなく夏場は蒸し暑い状態。課題となる労働環境の改善への活用を検討している。

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