日本マクドナルドホールディングス(HD)が8日発表した令和4年12月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比2・1%減の338億円と7期ぶりの減益になった。当初は3期連続の最高益を見込んだが、原材料高と急激な円安が重なり、2度の値上げでもコスト上昇を吸収できなかった。新型コロナウイルス禍でも持ち帰り需要の取り込みなどで〝勝ち組〟とされた同社の苦戦は、外食産業が直面する収益力の低下を浮き彫りにした。
日色(ひいろ)保社長兼最高経営責任者(CEO)は8日の記者会見で「短期間でこれほど多くの環境変化に見舞われることは、当初想定していなかった」と認め、「さまざまなチャレンジに向き合う1年だった」と振り返った。使用する食材の半分以上を輸入に頼るビジネスモデルを円安が直撃。食材や水道光熱費などのコスト上昇は営業利益ベースで99億円の減益要因となった。
経費増を相殺するため4年3月に商品の2割、9月には6割で店頭価格を引き上げた。それでも「ビッグマックセット」を期間限定で値下げして目玉商品で値ごろ感を打ち出すなど営業努力で客離れを防ぎ、既存店ベースの客足は3・2%増えた。このため売上高は10・9%増の3523億円を確保したが、コスト上昇を補えず最終利益は16・7%減の199億円だった。