2容疑者の強制送還開始 フィリピン当局 広域強盗捜査へ

フィリピン・マニラの入管施設を出発する今村磨人、藤田聖也両容疑者を乗せた車列=7日(共同)
フィリピン・マニラの入管施設を出発する今村磨人、藤田聖也両容疑者を乗せた車列=7日(共同)

【マニラ=森浩、中村雅和】全国で相次いで発生している強盗事件を巡り、フィリピン司法当局は7日、犯行の指示役とされる日本人特殊詐欺グループ4人のうち、今村磨人(きよと)(38)と藤田聖也(としや)(38)の両容疑者について身柄の移送を開始した。2人は同日早朝、拘束されていた首都マニラ近郊の入管施設「ビクタン収容所」から出た。

海外の入管施設内から通信アプリで犯行指示を出したとされる異例の強盗事件は真相解明に向けて動き出した。警視庁はグループによる特殊詐欺事件を巡る窃盗容疑で逮捕状を取っており、移送中の航空機内で両容疑者を逮捕する方針。帰国後に強盗事件についても調べを進める。

残る渡辺優樹(38)と小島智信(45)両容疑者は「女性や子供に対する暴行罪」で告訴され、フィリピンで裁判が続いている。フィリピン司法省は強制送還を先延ばしするための虚偽の告訴に基づく裁判と断定しており、検察側を通じて公訴棄却を要請している。マニラの裁判所が7日の審理で取り下げの是非を判断する。

フィリピンのマルコス大統領は8日から日本を公式訪問する。フィリピン政府は送還問題に関心が集まることを避けるため、訪日前の問題解決を目指していた。

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