車いすテニス男子の第一人者で、シングルスではパラリンピックで3度、四大大会で通算28度優勝した国枝慎吾さん(38)が7日、東京都内で引退会見し「最高のテニス人生を送れた。一番の思い出は東京パラリンピックでの金メダル。今でも鮮明に、写真を見ると震えるような感情になる」と感慨を込めた。
引退を決断した理由について「(昨年の)全米オープンが終わってからは、もう十分やり切ったなと口癖のように出てしまった。そのままテニスをしていていいのかなというような気持ちになってしまった」と説明した。
9歳のとき、背中の腫瘍が原因で車いす生活になり、11歳で競技を開始。日本選手団の主将を務めた2021年東京パラで優勝し、シングルスで3つ目の金メダルを獲得した。昨年7月にはウィンブルドン選手権で初優勝し、四大大会とパラを全制覇する「生涯ゴールデンスラム」を達成。先月22日に引退を表明し、国民栄誉賞の授与が検討されている。