偵察気球の残骸一部回収 米、撃墜抗議に反論

米南部サウスカロライナ州沖で撃墜された中国の偵察気球の残骸を捜索するヘリコプター=5日(ゲッティ=共同)
米南部サウスカロライナ州沖で撃墜された中国の偵察気球の残骸を捜索するヘリコプター=5日(ゲッティ=共同)

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は6日のオンライン記者会見で、米軍が東海岸南部沖で4日に撃墜した中国の偵察気球について、残骸の一部を回収したと明らかにした。回収物を中国に返却するつもりはないと強調した。

撃墜を受け、中国政府が「過度な反応」だと抗議したことに関して「米領空を飛行させて国際法を守らない中国とは異なり、米国は自国領空で撃墜しており国際法を順守している」と反論した。

一方で、気球の領空侵入後も、米中の緊張が衝突に発展しないよう両国関係を管理すべきだとするバイデン大統領の方針は変わっていないと指摘。延期したブリンケン国務長官の訪中は、条件が整えば再調整すると述べた。

野党共和党議員らは、気球の撃墜が遅過ぎたと批判している。カービー氏は、地上ではなく海上で撃墜したことで残骸の回収がしやすくなり「気球の機密情報を集められるようになった」と弁明し、政権の判断が適切だったと強調した。(共同)

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