日本電産の永守会長「今春に給与7%増」 物価高受け段階的賃上げ

春の賃上げ方針について説明する日本電産の永守重信会長=7日、京都府向日市
春の賃上げ方針について説明する日本電産の永守重信会長=7日、京都府向日市

日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は7日、グループ全体の給与水準を今春に平均で7%引き上げる考えを明らかにした。同社は令和7年までに平均給与を3割引き上げる方針を打ち出しているが、物価上昇などで生活への影響が広がる中、段階的な賃上げにより、目標達成や従業員のモチベーションアップにつなげる狙いがあるとみられる。

永守氏が、出身地の京都府向日(むこう)市に寄付した市民会館の開館記念式典に際し、記者会見して表明した。永守氏は初めてグループの連結売上高が2兆円を上回る見通しとなったことに言及。それに見合う給与水準にする必要があるとした上で、7%はあくまでも平均であり、「20%や30%(上がる人)もいる」と述べた。

また永守氏は「こよなく向日市を愛している。よりよい街になってほしい」とも述べ、私財を投じたり、日本電産の新たな拠点を整備したりすることで市の税収増などに貢献していく考えを強調した。「将来の夢」として、市名については4月からの同社の新たな社名にちなみ「『ニデック』市はどうか」と言って笑いを誘う場面もあった。

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