「それな」「草」…三省堂がLINEスタンプを販売 「辞書スタンプ」SNSで話題に

三省堂が販売を開始したLINEスタンプのイメージ(三省堂提供)
三省堂が販売を開始したLINEスタンプのイメージ(三省堂提供)

辞書などの出版・販売を手掛けている三省堂が、通信アプリ「LINE」(ライン)のスタンプ販売を7日から開始したところ、会員制交流サイト(SNS)で話題を呼んでいる。スタンプは「了解」「おつかれさま」などといった日常的に使用する言葉に、語釈や豆知識を辞書のスタイルで掲載。三省堂では「ネット検索やアプリなど、すでに紙の枠を飛び出し様々な形に変わってきている辞書だが、今度はLINEスタンプとして皆さまのそばに置いていただければ」としている。

三省堂は明治14(1881)年創業の老舗出版社として知られ、辞書や事典、学習図書などの出版・販売を手掛けている。「少し硬い印象を持たれがちな辞書の面白さを、SNSの利用者に再認識していただけないかというところが企画のスタート」(同社)として、同社の「明解国語辞典」が今年で刊行80年を迎えたのにあわせ、スタンプを考案した。

40語選定、若者言葉も

スタンプは「明解国語辞典」の流れを汲む「新明解国語辞典第八版」と「三省堂国語辞典第八版」から各20語の計40語を選定。「了解」「おつかれさま」といった日常的な言葉に加えて、「それな」「草」など若者を中心にSNSでも使われている言葉も採用した。

三省堂が販売を開始したLINEスタンプ(三省堂提供)
三省堂が販売を開始したLINEスタンプ(三省堂提供)

「それな」では、「相手の指摘に同感することをあらわすことば。そうだよね」といったように語釈も掲載。言葉の持つさまざまな側面に触れられるよう工夫している。同社は「いわゆる若者言葉の『それな』が辞書に載っていることをご存知ない方もいらっしゃると思うが、そういったところから紙の辞書を読んでみようというきっかけにもなるかと思い、採用した」と説明する。

今回のスタンプは1日から先行販売したところ、ツイッターでは「思わず買った」「三省堂さんらしくていい」と話題に。7日から正式に販売が始まったが、同社によると、7日午前の時点で約1万8000件のダウンロードがあったという。

同社は「正直、ここまで多くの反響をいただけると思っていなかったので非常に驚いている」とした上で、「辞書というと硬い印象を持たれる方も多いとは思いますが、そもそも辞書は皆様の生活に寄り添う『言葉』を集めた書籍。このスタンプが、何気ない言葉をより身近に感じていただけるきっかけとなれば、辞書出版社としては嬉しい限り」としている。(浅野英介)


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