五輪談合 組織委元次長近く立件 独禁法違反疑い 入札巡り受注調整

五輪マークのモニュメント。奥は国立競技場=2020年9月、東京都新宿区(川口良介撮影)
五輪マークのモニュメント。奥は国立競技場=2020年9月、東京都新宿区(川口良介撮影)

東京五輪・パラリンピックを巡る談合事件で、東京地検特捜部が、テスト大会の計画立案支援業務の入札を巡り受注調整をしたとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、入札を発注した大会組織委員会大会運営局の元次長を近く立件する方針を固めたことが6日、関係者への取材で分かった。

談合があったとされるのは、組織委大会運営局が発注したテスト大会の計画立案支援業務を巡る入札。平成30年に計26件実施され、広告大手「電通」や業界2位の「博報堂」など9社とうち2社による共同事業体が総額約5億4千万円で落札。電通はうち5件(計約8千万円分)を落札した。

関係者によると、入札を取り仕切っていた元次長は、電通から組織委に出向していた社員や電通社内の入札関連業務の担当者らと協議し、企業側の応札希望の状況を取りまとめた「リスト」を更新。実際にほぼリスト通りの企業が落札しており、26件の大半が「1社応札」だった。

9社はその後、テスト大会の実施運営や本大会の会場運営、競技運営などを入札を伴わない随意契約で受注。総額は400億円規模に上る。

特捜部は、公正取引委員会とともに昨年11月下旬以降、電通や博報堂など9社中8社や下請けに入った企業を家宅捜索。特捜部の任意の事情聴取に対し、元次長は談合について否認していたが、最近になり認める方向に転じていた。

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