自民党の茂木敏充幹事長が少子化対策の議論を主導している。児童手当の所得制限撤廃や、子供が多い世帯ほど税負担が軽減される「N分N乗」方式を提起して国会論戦の口火を切った。8日には党内でヒアリングを行い、具体的な課題の洗い出しを始める。国難といわれる少子化問題で結果を残せば「ポスト岸田」への弾みとなりそうだ。
茂木氏は7日、ヒアリングについて「子育て中の議員だけではなく、彼らが地元で吸い上げてきた生の声も政策に反映する」と意義を説明した。
1月25日の衆院代表質問で所得制限撤廃案や出生率の高いフランスの事例を披露して議場をどよめかせた茂木氏だが、一夜漬けのパフォーマンスではなかった。経済再生担当相時代から少子化への問題意識を抱き、5年越しで研究を重ねてきた成果の一端だった。自民中堅議員は「本来は自身の政権が誕生した際の一丁目一番地の政策にしたかったのでは」とみる。