製薬大手エーザイが、米バイオジェンと開発した認知症のアルツハイマー病新薬「レカネマブ」が話題だ。米国では食品医薬品局(FDA)が迅速承認制度で承認し、日本でも承認を目指している。エーザイは主力薬に育て、業績拡大につなげたい考えだが、価格面や検査体制の充実など課題もある。同社がこれらを乗り越え、新薬が年間1000億円以上を売り上げる「ブロックバスター」になれるかどうか注目される。
■数百億ドルのインパクト
レカネマブはアルツハイマー病の原因とされる、脳内に蓄積したタンパク質「アミロイドベータ」にくっついて除去する。臨床試験(治験)で早期患者の進行を抑制する効果があったとされる。認知症の6~7割程度を占めるアルツハイマー病の早期患者を対象としており、臨床試験では症状の悪化を27%抑制するとされた。米国で1月6日(現地時間)にFDAが承認。日本国内では製造販売に向けた承認を16日に厚生労働省に申請し、27日には欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請が受理されたことを発表した。