東芝を除く電機大手7社の令和4年4~12月期連結決算が7日、出そろった。円安の追い風もあり全社が増収となったものの、原材料費高騰などで一部メーカーの採算が悪化。最終損益は、日立製作所とパナソニックホールディングス(HD)、三菱電機、富士通の4社が減益となり、シャープは赤字に転落した。
この日決算を発表したシャープはディスプレー事業の不振などが響き、最終損益が72億円の赤字(前年同期は708億円の黒字)に転落した。5年3月期の本業のもうけを示す営業損益は200億円の赤字と、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入る前の平成28年3月期以来、7年ぶりの赤字となる見通し。沖津雅浩副社長は記者会見で、令和6年3月期の黒字化に向け「抜本的な構造改革を進めている」と強調した。
日立の4年4~12月期は円安効果もあり売上高が前年同期比10・4%増となったが、最終利益は前年同期に株式譲渡益を計上した反動などで同35・2%減となった。パナソニックHDの最終利益は同16・7%減。同社は中国経済の減速で電子部品などが苦戦しており、5年3月期の最終利益予想を昨年10月時点より250億円少ない2100億円に引き下げた。空調・家電事業などで原材料費の高騰が響いた三菱電機は、4年4~12月期の最終利益が前年同期比6・1%減となった。
一方、ゲーム事業や音楽事業などが好調だったソニーグループは、売上高が同10・7%増の8兆4762億円で過去最高を更新。最終利益も同4・9%増と伸びた。NECも、デジタルトランスフォーメーション(DX)需要を背景に国内のIT(情報技術)サービス事業が伸長し、最終利益が同5・8%増となった。