リーダー格の渡辺容疑者と今村容疑者、接点は「ススキノ」

渡辺優樹容疑者(左)と今村磨人容疑者フィリピン当局提供)
渡辺優樹容疑者(左)と今村磨人容疑者フィリピン当局提供)

特殊詐欺グループのリーダー格とされる渡辺優樹容疑者(38)と今村磨人(きよと)容疑者(38)のうち、今村容疑者が6日、拘束されていたフィリピンから強制送還され、同日午後に帰国する。一連の強盗事件では「ルフィ」などと名乗り、実行役に指示していたとみられる2人。同い年で、いずれも北海道出身という点以外にも、札幌の歓楽街、ススキノで過去に飲食店を経営していたという共通点もあった。

「優しい子だった」。幼少期から渡辺容疑者を知る女性は、かつての印象をこう語る。北海道別海町の酪農家の家に生まれた渡辺容疑者は高校までを地元で過ごした。小学校から剣道に打ち込み、高校の同級生だった男性は「目立たない人間だった」と明かす。

札幌市の大学へ入学後、同市の歓楽街、ススキノで客引きとして勤務し、20代でススキノにバーを開店。だが、周辺の飲食店関係者は「いつのまにか閉店していた感じ」と振り返る。平成24年、北海道警に窃盗の疑いで逮捕されていたことが原因とみられる。その後、北海道からフィリピンへ渡った。

渡辺容疑者とともに、一連の強盗事件で指示役とした関与した疑いがある今村磨人容疑者も20年から約2年間、ススキノで飲食店を経営。「女の子が7、8人いないと経営できない」(管理会社)というテナント料月40万円の大箱の店で、目立ったトラブルもなかったという。

ススキノでつながり、特殊詐欺に手を染めていった渡辺容疑者と今村容疑者。2人がススキノを去ってしばらく経過しているが、地元で今村容疑者を知る男性は「あまりにも世間とかけ離れた事件で、話したら命を狙われるかもしれない。関わりたくない」と口を閉ざした。

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