「再会にいちるの望み」横田早紀江さん、松野官房長官と面会

松野博一官房長官兼拉致問題担当相へ署名簿を手渡す「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」の池田正樹代表(中央)と横田早紀江さん(左)=6日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)
松野博一官房長官兼拉致問題担当相へ署名簿を手渡す「横田めぐみさんとの再会を誓う同級生の会」の池田正樹代表(中央)と横田早紀江さん(左)=6日午後、首相官邸(矢島康弘撮影)

北朝鮮に拉致された横田めぐみさん(58)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(87)と、めぐみさんの小中学校時代の同級生らが6日、拉致問題担当相を兼ねる松野博一官房長官と首相官邸で面会した。早紀江さんは「再会にいちるの望みを持っている」と早期の事態進展へ切実な思いをぶつけた。

面会では、同級生の会代表の池田正樹さん(58)が、被害者救出を願う署名などを松野氏へ手渡した。松野氏は北朝鮮との懸案事項である拉致・核・ミサイルのうち、岸田文雄政権が拉致を「時間的制約のある人権問題」と位置付けて重要視していることに触れた上で、「日朝首脳会談に向けた環境づくりを進めている」などと応じた。

面会後の報道陣の取材に池田さんは、早紀江さんが今月4日に誕生日を迎え、令和2年に87歳で死去した夫の滋さんと同じ年齢になったことに触れ、「時間の限界を超えている」と主張。一刻も早い日朝首脳会談の実現を求めた。

昭和52年11月にめぐみさんが拉致されてからすでに45年以上が経過。早紀江さんはこのところ、足腰が弱り、つまずいて転ぶことが増えた。疲労の蓄積を理由に年明け以降、支援者らによる集会なども欠席しており、この日も面会後の取材には対応せずに帰路についた。

「時間がない。政府は帰国に向けた道筋をつけてほしい」。同級生の真保(しんぼ)恵美子さん(58)は報道陣を前にそう訴えた。

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