「クリスマス準備に気を取られ…」2歳女児車内で熱中症死 父親書類送検も起訴求めず

大阪府岸和田市で昨年11月、次女=当時(2)=を保育所に預け忘れて車内に約9時間放置し、熱中症で死亡させたとして、大阪府警捜査1課は6日、重過失致死の疑いで、父親(34)を書類送検した。父親は「自宅に配送される予定だったクリスマスツリーの受け取りや、家の掃除をしなければと焦って帰宅した。まさか次女を乗せたままだとは思っていなかった」と説明。容疑については認めているという。

府警は父親が深く反省し、家族や親族に処罰感情がないことを踏まえ、起訴を求めない「寛大処分」の意見を付けた。

書類送検容疑は昨年11月12日午前8時ごろ、ワンボックスカーに子供3人を乗せ、長女(4)と三女(1)を同市内の認定こども園に送った後、後部座席のチャイルドシートに次女の渕上惺愛(せいら)ちゃんを残したまま車で自宅に戻り、約9時間放置し熱中症で死亡させたとしている。

父親は午後5時ごろ、車で惺愛ちゃんの保育所に行くまで自宅から外出した形跡はなかった。府警は昨年11月15日、実際に父親の車を使って車内の温度を検証。当初の18度から午前11時ごろには42度、3時間後には47度にまで上昇したという。

事件を巡っては、保育所が保護者への欠席確認を怠っていたことも判明。岸和田市は再発防止策として、登園状況を顔認証機能で把握し、保護者にアプリで通知するシステムの導入に向け、近く実証実験を行う。

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