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NTT西日本社長 森林正彰さん(61) バーチャル万博で「デジタルツイン」展開

NTT西日本の森林正彰社長
NTT西日本の森林正彰社長

――令和7年の大阪・関西万博ではNTTグループとしてパビリオンを出展し、さらに「バーチャル万博」も展開する計画だ

「パビリオンでは光技術を使った次世代通信構想『IOWN(アイオン)』によるサービスを提供する。超高速、低遅延、低消費電力の次世代技術で遠隔医療やeスポーツなどが紹介されるだろう。会場内のほかのエリアにもアイオンを敷設したいと考えている。これは主催者側との調整が必要だ。バーチャル万博では『デジタルツイン』と呼ばれる技術を使い、自身のアバター(分身)がオンラインでいつでも万博会場を訪れられるサービスを展開する。アイオンが敷設されていない地域からでも第5世代(5G)移動通信システムを使って参加できる」

――万博会場が設置される夢洲(大阪市此花区)ではカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致も計画される

「IRでは、万博向けに整備された通信インフラなどを活用するべきだと思う。ただ、まずは万博を成功させる必要がある」

――昨年8月には光回線の大規模障害が発生し、総務省から行政指導を受けた

「現在、再発を防ぐためのあらゆる努力を続けている。今後は故障が発生したら30分以内に、利用者などに周知するための第一報を出す。詳細が分からない段階での発表を躊(ちゅう)躇(ちょ)していた部分があるが、そのような考え方を一掃する」(黒川信雄、写真も)

もりばやし・まさあき 北大卒。昭和59年日本電信電話公社(現NTT)入社。NTTヨーロッパ社長、NTTリミテッド副社長などを経て令和4年6月から現職。北海道出身。

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