シャープは6日、スペースが限られた日本の住宅にも設置しやすい小型の太陽光パネルを発表した。面積を14%ほど小型化することによって、効率よくパネルを設置できるという。東京都では令和7年度から新築建物への太陽光パネル設置が義務化されることから、日本の住宅に適した新製品で、需要をつかみたい考えだ。
新製品は縦99・6センチ、横114・6センチ。一般的な「横置き」に加え、縦方向に置くこともでき、さまざまな屋根の形状に合わせて効率よく敷き詰めることができる。例えば、都市部の住宅を想定した間口約5・5メートル、奥行き約5・5メートルの屋根の場合、従来に比べて1列多く設置でき、発電容量が約10%向上する。価格は14万3千円で、5月の発売を予定している。
シャープは、新築建物での太陽光発電システムの導入率は、12年度には3年度比で2倍以上に拡大すると見込む。自治体による設置義務化の動きもあり、これまで設置率が低かった都市部での導入も進んでいるが、屋根のスペースに限りがあるため、従来製品では設置を断念するケースがあるという。担当者は「政府による太陽光発電システム導入の推進に加えて電気代高騰もあり、市場は拡大している」と説明する。日本の住宅事情に適した新製品を投入することで「需要をつかみ、脱炭素にも貢献したい」としている。