ウクライナ、ドイツ製戦車「レオパルト2」の習熟訓練開始へ 輸送も始まる

ドイツ製主力戦車「レオパルト2」=2011年9月、ドイツ・ミュンスター(AP=共同)
ドイツ製主力戦車「レオパルト2」=2011年9月、ドイツ・ミュンスター(AP=共同)

ウクライナ軍参謀本部は5日、同国軍の戦車兵が6日から、同国に供与されるドイツ製の主力戦車「レオパルト2」の習熟訓練を開始すると明らかにした。一方、同戦車4両の供与を決定しているカナダのアナンド国防相は同日までに、同戦車のウクライナへの輸送が始まったとツイッター上で発表した。ウクライナは米欧製戦車が将来的な反攻の原動力になることを期待。早期に習熟訓練を済ませたい考えだ。

ウクライナのクレバ外相によると、「第1陣」として米欧諸国から供与される主力戦車の規模は計120~140両になる見通し。英国が14両の供与を決めた同国の主力戦車「チャレンジャー2」の操縦訓練は既に英国で始まっている。英国は3月末までにウクライナに同戦車を引き渡す意向を示している。

ウクライナのゼレンスキー大統領は5日のビデオ声明で、米欧製戦車が実戦投入される前に露軍が大規模攻勢を仕掛けるとの観測が強まっていることに言及。「どれほど困難でもわが国は耐え抜かねばならない」と表明した。ウクライナは現在、前線で防衛戦を展開して露軍を損耗させた後に米欧製戦車などを実戦投入し、本格的な反攻に乗り出す構想を描いている。

前線の戦況を巡り、ロシア軍側で参戦している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は5日、交流サイト(SNS)を通じ、最激戦地である東部ドネツク州バフムトの市街地北部で激戦が続いていると発表。「ウクライナ軍がバフムトから撤退する兆候はない」と述べた。

一方、一部のウクライナメディアは5日、米欧側との兵器供与交渉を主導してきた同国のレズニコフ国防相が近く交代する見通しだと報じた。報道によると、同氏は法相に異動し、後任の国防相に国防省情報総局のブダノフ局長が就任する案が検討されている。

これについて、レズニコフ氏は5日、「誰もが永遠に同じポストを続けることはない」としつつ、「人事は大統領の専権事項だ」と述べ、明言を避けた。同国メディアが伝えた。

会員限定記事会員サービス詳細