車内置き去り、どう防ぐ? 防止装置義務化、官民取り組み進む

大阪府岸和田市で昨年11月、次女=当時(2)=を保育所に預け忘れて車内に約9時間放置し、熱中症で死亡させたとして、大阪府警捜査1課は6日、重過失致死の疑いで、父親(34)を書類送検した。 同種の置き去りの悲劇を防ぐため、国は昨年12月、通園バスなどに設置する置き去り防止装置の性能要件についてガイドラインを策定し、官民一体で取り組みを進めている。

国土交通省はガイドラインの中で、エンジンを切ったときに警告音を発して確認を促すことや、車内の人の動きを検知して音などで警告するといった基本機能の搭載を求めた。

現在、要件を満たした3社7製品が国の認定を受けており、4月からは全国の幼稚園や保育所で使用する通園バスに、認定済みの防止装置を取り付けることが義務化される。国は費用の補助制度を設け、6月末までの設置完了を目指す。

認定を受けた加藤電機(愛知)の装置では、AI(人工知能)を搭載したカメラが人の動きを感知し、利用者にメールで異常を知らせる。同社担当者は「自家用車でも使ってもらい、置き去りを防ぐことにつながれば」と話す。

自動車部品メーカーのコアテックシステム(兵庫)の装置も認定を受けた。担当者によると、全国の保育所や幼稚園などから1日あたり数十件の問い合わせがあるという。

国交省の担当者は「装置はあくまでヒューマンエラーを補完する役割。設置したから大丈夫ではなく、確認の徹底を意識してほしい」と求めた。

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