【北京=三塚聖平】米軍による中国の偵察気球撃墜を巡り、中国の謝鋒(しゃ・ほう)外務次官は5日、在中国米国大使館に「厳正な申し入れ」を行った。中国外務省が6日発表した。謝氏は「米領空を間も無く離れる民間の飛行船に対し武力の乱用に固執したことは明らかに過度の反応だ」と非難し、「断固とした反対と強烈な抗議」を表明した。
中国外務省はこの問題を巡り、4日に報道官談話、5日には外務省名の声明を発表。反発の度合いを高めている形だ。
謝氏は、気球が米本土上空に入ったことについて「不可抗力が引き起こした予想外で偶発的な事件だ」と主張。「事実ははっきりとしており、歪曲(わいきょく)、中傷は許さない」と米側を批判した。「緊張した情勢をエスカレートさせてはならないと促す」とも牽制(けんせい)した。