中国軍戦闘機が2019年に自国領空で所属不明の偵察用とみられる気球を撃墜していたことが6日分かった。当時の中国メディアや軍機関紙が伝えていた。中国政府は米軍による中国の偵察気球撃墜を巡り反発しているが、自国も同様の対応を取っていたことになる。
19年9月の軍事番組やニュースサイト「新浪軍事」の報道によると、軍が発見した白い球形の浮遊物に戦闘機が接近し、動力を有した無人偵察気球とみられると判断、ミサイルで撃墜した。軍機関紙、解放軍報は22年8月、軍パイロットが19年5月に「正体不明の浮遊物」を撃墜したと紹介した。
中国政府は今回、米領空を飛行した気球が自国の民間の気象研究用飛行船だと主張し、米による撃墜に反発した。ただ中国は民間技術を軍事分野に活用する「軍民融合」を進めており、民間と軍事の境界は曖昧となっている。(共同)
米軍機が中国偵察気球を撃墜 バイデン大統領が指示、残骸回収へ