【ワシントン=坂本一之】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は4日、複数の中国企業が米欧の制裁対象になっているロシアの国営軍需企業に、戦闘機スホイ35の部品や地対空ミサイルシステム「S400」に使われる機器などの軍用品を輸出していると報じた。延期となったブリンケン米国務長官の訪中で、ウクライナ侵略を続けるロシアへの中国の支援が議題になる見込みだったと指摘した。
同紙によると、露税関の8万4000件以上の記録を分析したところ、昨年8月に中国国営の軍需企業が軍用ヘリコプターの航法装置を出荷していたほか、他の中国の電子機器企業が電波妨害(ジャミング)機器を提供していた。昨年10月には別の国営軍需企業が120万ドル(約1億5740万円)相当のスホイ35の部品を出荷していた。
ロシアは軍事、民生の両方で使える「デュアルユース」技術の製品も中国から調達しているという。
同紙は露軍のウクライナ侵略に必要な技術を中国が提供していると指摘。報道によると、在米中国大使館の報道官は「中国がロシアを援助しているという主張は事実無根で意図的に誇張されている」と述べた。