チームの命運握りそうな移籍選手、最大の注目はC大阪復帰の香川

ユニホーム姿を披露する香川真司=東京・八重洲のヤンマー東京ビル(撮影・田村亮介)
ユニホーム姿を披露する香川真司=東京・八重洲のヤンマー東京ビル(撮影・田村亮介)

17日に開幕するサッカーJ1に向けて陣容を整える各クラブに、勢力図を変えそうな選手が加入している。話題性ではC大阪へ復帰の香川が群を抜き、名古屋へ加入のユンカーら個人能力でインパクトを与える選手も少なくない。大型補強の鹿島は上位争いが有力で、大幅に選手を入れ替えた柏も台風の目となる可能性を秘めている。

1日にビッグニュースが飛び込んできた。C大阪がワールドカップ(W杯)ブラジル、ロシア両大会で日本の背番号10を託された香川の復帰を発表。5日の会見で香川は「横一列の競争で切磋琢磨して成長していきたい」と衰え知らずの向上心を印象付けた。

昨季、C大阪の総得点46は、横浜Mの70や川崎の65に遠く及ばなかった。課題解消に向けて昨季11ゴールで横浜Mのチーム得点王だったレオセアラ、福岡のクルークスらを補強。クラブのレジェンドである香川の復帰で、新シーズンへの期待はさらに膨らんだ。

昨季の総得点30がリーグワースト2位タイと極度の得点力不足に泣いた名古屋は、浦和から期限付きでユンカーを獲得した。故障もあって出場機会が限られながら、浦和に途中加入した2021年と22年で計16得点を奪取。90分あたりのゴール数は0・60だ。

この数字は、昨季J1得点王に輝いたチアゴサンタナ(J2清水)の0・59を上回る。名古屋でマテウスや永井らと形成する攻撃陣は、他クラブを恐れさせるのには十分だ。

鹿島は7年ぶりのJ1制覇を目指せるだけの顔ぶれをそろえた。OBの昌子と植田の復帰は最終ラインに安定感をもたらしそうで、川崎から獲得したストライカーの知念や広島から加入のサイドアタッカーの藤井も実績十分。染野ら伸びしろを持つ若手も期限付き移籍から復帰した。

昨季はコンスタントに上位を争った柏にも大きく化けるポテンシャルがある。最終ラインの主力だった上島や大南らが退団した一方でジエゴや立田を補強。中盤で新加入の仙頭や高嶺、山田らもレギュラー候補といっていい。派手さはないものの、チームを一変させる主力交代も考えられる。

フランス1部パリ・サンジェルマンのメッシやエムバペといった別格の個人能力をもってしても、結果が保証されないのがサッカーの難しさだ。同時に選手の組み合わせや戦い方次第で劇的な効果を上げられるのも魅力で、各クラブが絞った知恵と想像力の成果が問われる1年が始まる。(奥山次郎)

「今の自分を表現したい」香川が会見

会員限定記事会員サービス詳細