「強盗グループの黒幕が『ルフィ』を名乗っているのは許せん!」
『ワンピース』の熱烈ファンのぼく(これまでの104巻はすべて読破、本棚に並べてある)が怒っていたら、産経新聞出版の瀬尾友子編集長が、「集英社は業務妨害で告訴すればいいんです」。
『週刊文春』(2月9日号)は「独走第二弾」、「『ルフィは7人いる』連続強盗〝予告男〟の告白」。
情報提供者Xは黒幕として4人の名をあげたが、
〈彼らの名は、特殊詐欺グループの主要メンバーとして警視庁が逮捕状を取っている四人と完全に一致。そして、警察当局が〝ルフィグループ〟とみなす本命の面々に他ならない〉
ルフィらがこれまで関わった詐欺事件は〈約二千三百件。被害総額は三十五億円ともいわれる〉という。
先週、『文春』に先んじられた『週刊新潮』(2月9日号)、今週は頑張って「強盗団の首魁『ルフィ』犯罪記録」。
両誌ともルフィたちの若い頃からの足跡をたどっているが、やはり情報提供者Xを捕まえている『文春』が強い。
呆(あき)れたのはルフィたちが収容されているフィリピン入国管理局「ビクタン収容所」の実態。ここで一定期間過ごした男性の話。
〈「職員はボーイみたいなもの。金を渡すと、買い出しに行ってくれるし、金額によってはエアコン完備の個室にも入れる。収容されている女とセックスもできるし、韓国人が仕切るカジノもあった。Wi-Fiの設備もあるし、足のつかないプリペイド式のスマホも所持できるよ。あの施設では、金次第で〝自由な外出〟以外なら何でもできた」(『文春』)〉
『ニューズウィーク日本版』(2・7)の大特集「日本のヤバい未来 2050」。『未来の年表』シリーズの河合雅司氏と情報学者のドミニク・チェン早稲田大学教授の分析、SF作家ケン・リュウさん書き下ろし、荒廃した東京を描く新作の3本立て、17ページは必読。
課題山積の日本。こんな時に国会で首相秘書官のオミヤゲ問題を追及している野党の危機感のなさに呆れる。
(月刊『Hanada』編集長)