第47回日本大相撲トーナメントは5日、東京・両国国技館で行われ、幕内トーナメントは平幕大栄翔が制して、賞金250万円などを獲得した。
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初場所で2桁勝利を挙げた勢いそのまま大栄翔が初優勝を遂げた。平幕力士のトーナメント制覇は42回大会の栃ノ心以来、5年ぶり。「すごくうれしい。前に出ることができた。(場所後の休養を挟んで)相撲を取る稽古も再開している」と語る通り、よく体が動いていた。
ギアが入ったのは3回戦だ。先場所優勝の大関貴景勝を寄り切りで破り、「一番強い人に勝ったんで、『優勝しないとな』と思った」。4回戦の東龍戦は立ち合いで変化され、前のめりの体勢で頭を押さえつけられたが、「自分でもよく反応できたと思う」と、何とか踏ん張ってもろ差しに。そのままつり出して勝負を決めた。この危ない一番をものにすると、阿武咲との準決勝、豊昇龍との決勝は、持ち前の突き押しを存分に発揮して完勝した。
新型コロナウイルス禍で中止続きだった今大会。約4500人の観客を集め、3年ぶりに開催できたことを、大栄翔は「3年ぶりと聞いて『長いな』と思ったけど。元通りに開催されたことがうれしかった」と前向きに捉えて土俵に上がっていたという。
「この優勝で気持ち的に良い流れでいける。本場所が大事だと思うので、しっかりやっていきたい」
2場所ぶりの三役復帰が確実な春場所に向けて、大きな弾みとなるに違いない。(宝田将志)