プロの検察官ではなく、一般の国民が「起訴すべき」と判断した事件で無罪判決が相次ぎ、検察審査会(検審)の見直し論が浮上している。先月18日には、東京電力福島第1原発事故を巡り強制起訴された東電旧経営陣3人に対し、東京高裁が無罪を言い渡した。
法改正により、検審は平成21年から議決に法的拘束力が備わった。くじで選ばれた11人の国民が検察の不起訴処分について審査し、①不起訴相当②不起訴不当③起訴相当―のいずれかの議決を出す。②か③の場合は検察が再捜査。改正後は、検察が再び不起訴とすると2度目の審査に進み、そこで「起訴すべき」と議決されれば、強制的に起訴されるようになった。
これまでに10件14人が強制起訴され、有罪が確定したのは2件2人のみ。プロの検察官が起訴した場合は有罪率が99%を超えるだけに、強制起訴された人が刑事被告人という大きな負担のある立場に長期間おかれることへの批判が噴出している。また、検審の審査段階で弁明の機会が与えられないなど制度面の課題も多く指摘される。