物価の上昇が続いている。民間調査会社の帝国データバンクによると2月は食品値上げが5000品目を超え、昨年10月に次ぐ規模の「値上げラッシュ」になるという。輸入物価を押し上げてきた急激な円安は落ち着き、原油価格もピーク時から下落に転じているが、物価高はいつまで続くのか。今後の見通しや政府の対策の是非について3人の識者に聞いた。このうち、日本チェーンストア協会の三枝富博会長の話は次の通り。
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長引く物価高で家計は圧迫され、消費者の「体感物価」が上がっている。この体感物価のインパクトは大きく、消費者心理は支出に慎重になっているとみる必要がある。日本銀行が1月発表した昨年12月の生活意識に関するアンケートでも、現在の物価が1年前と比べて「上がった」と答えた人の割合は9割台半ばに達し、現在の暮らし向きも「ゆとりがなくなってきた」との回答割合が増加した。